第3回 ジュエリー製造に3Dプリンター? 製造過程で威力を発揮する3Dプリンターの活用
鋳造でのモノづくりに、3Dプリンターがどう役立つのだろう? 宝飾業界でも3Dプリンターの活用が普及しつつありますが、実際どの様に活用されているのでしょうか。 事例をご紹介します。
■前回の振り返り
前回は3Dプリンターを活用して「型」を作成する、ダイレクト鋳造についてご紹介しました!
鋳造といえば、自動車部品などの様々な工業製品もありますが、
より身近なものとして指輪などのアクセサリーを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
今回は、ジュエリー製造における3Dプリンターの活用事例をご紹介します。
■ジュエリー(宝飾)業界で3Dプリンターはどう使われる?
ジュエリー業界では以下のような手法が一般的にとられていました。
・原型師の方がマスターパターンを手作業で作成
・マスターパターンを元にゴムで型を作成
・ゴム型にワックスを流し込み、鋳造要のワックスモデルを作成
・ワックスモデルを石膏の型素材で包み込む
・炉に入れて鋳造用のワックスモデルを溶かす(これを脱漏と呼びます)
・石膏型の空洞に金属を流し込む
・石膏型を割る
・完成
しかし、原型師の高齢化や外国人原型師の日本離れにより原型師が減少、更に指輪デザインの多様化も相まって、
デザインを立体化する能力がより一層必要とされています。
そこで原型作成に3Dプリンターを活用することが認知され、デザインの3DCAD化が広がり、社内で3Dプリンターを導入する企業も増え始めました。
3Dプリンターを活用する目的は2つあります。
①鋳造用ワックスモデルの作成
鋳造用のワックスモデルを自動で作成することにより、専門技術が必要であったワックスモデル作成を誰でも行えるようになります。
②デザイン試作
ジュエリー製品の形状試作を行うことができます(後述)。
【指輪の製造工程】
■3Dプリンターのデザイン試作に「ProJet1200」を活用(株)アミュール様
3DCADや3Dプリンターの技術をジュエリー業界へ広めるべく、ジュエリーの3Dモデリングスクールを開講している(株)アミュール様。 初心者向けからプロ向けまで様々なレベルの講座を開講し、デザイナーの輪を広げています。
ジュエリーモデリングスクールでは、デザイン試作とゴム型原型でProJet1200の活用をご紹介されています。
スクールの講師である代表取締役の伊藤氏は、「デザイナーは自分でデザインしたものが、製品として完成した状態になるまで物として見ることができなく、大きさや形がイメージ通りではなかったということもしばしばあると言います。デザインの段階で3Dプリンター試作を行うことで、鋳造する前に形状を変えて見たり失敗率を低減することができ、デザイナーにとっては大きなメリットになる」と仰られています。
詳細は事例記事をご覧ください!!
事例記事はこちら>>株式会社アミュール様
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鋳造×3Dプリンターをご覧頂き、ありがとうございました!!
来週は、玩具やフィギュア作成での3Dプリンター活用についてご紹介します。