小ロット成型品が樹脂型で作れる?!作りたい形状を作りたい材料で・・・実現します。
3Dプリンターの成型品では、実物と材料が違っていて検査や検証を行うのは難しい?とお悩みの方、多品種小ロットで樹脂型をフレキシブルに活用したい方に新提案! 3Dプリンターで造形した樹脂型を使って射出成型を行う方法をご紹介します。 3Dプリンター活用には、複数パターンの樹脂型をすばやく造形できることや、形状変更の際にもおおよそ一晩で完成することで、いかなる状況にも短納期で樹脂型を手に出来るメリットがあります。
【手順1】射出成型用の樹脂型を3Dデータ作成
3DCADで樹脂型(キャビティとコア)の3Dデータを作成します。
【手順2】3Dプリンターで樹脂型を造形
3Dプリンターで樹脂型を造形します。
使用した3Dプリンター:ProJet3500HDMAX
(面精度が高く、滑らかな表面を再現できるProJet3500シリーズの特徴を生かしています。)
使用したマテリアル:VisiJetM3Clystal (アクリル製樹脂)
【手順3】 固定用冶具の3Dデータ作成
3DCADで固定用冶具の3Dデータを作成します。
使用する射出成型機のサイズと、樹脂型のサイズに合うように設計します。
【手順4】固定用冶具の造形
固定用冶具のデータを3DCADで設計し、3Dプリンターで造形します。
完成したら樹脂型をセットし、ボルトでしっかりと固定します。
使用した3Dプリンター:CubePro
使用したマテリアル:CubeProABSマテリアル
使用した部品:トラストねじ(6×60mm)→ホームセンターで購入可能
射出口(スプルーブシュー)→成型部品製造業者にて特注
【手順5】射出成型機で成形
射出成形機にプラスティック素材を充填して溶かし、樹脂型に流し込みます。
使用した機器:EASYMOLD(卓上小型射出成型機)
使用した材料:ポリエチレン→手芸店などで購入可能
【手順6】成型品の完成!
3Dプリンターで造形した樹脂型を使用し、射出成型を行ったポリエチレン製の機構部品の完成です。
☆簡易射出成型機活用のポイント☆
・製造段階でも最終製品と同じ材料で、検査・検証が可能になります。
→完成後に気づいた問題点が製造段階で把握できることで。生産スピードの向上が見込めます!
※ちょこっと用語集※
・キャビティ・コアとは?
キャビティとは凹部、コアとは凸部のことです。
・固定冶具とは?
金型に樹脂を流し込む際に固定するものです。
圧が弱い部分にマテリアルが流れぬように、冶具で固定し更なる圧をかける役目があります。