EuroMold2014 最新情報レポート

 

3D Systems社は、2014年11月25日から11月28日まで開催されておりますEuroMold2014(ドイツ・フランクフルト)にて

・試作品/最終製品として高い実用性を誇る、次世代プロダクション3Dプリンター

・拡張性の高い新マテリアル

・精密部品に特化した3Dスキャナー

・商業施設などで3Dフィギュアを気軽に作成出来るPhoto Booth

を発表致しました。

3D Systems社 CEOであるAvi Reichentalは次のように述べています。 ブース全体.JPG
「高性能、最終用途の部品や、最も厳しい製造・生産を要求される航空宇宙、自動車、パーソナライズド·ヘルスケアに実用化可能な新製品を発表出来る事を嬉しく思います。3D Systemsの3D PRINTING 2.0 ソリューションは、エンジニアの作業ワークから工場での生産現場まで、大幅に製品開発サイクルを高速化し、コンテンツからプリントまでシームレスなデジタルワークフローを可能にしており、製造業の分野をリードしています。 」 

多くの新機種や新マテリアルを発表した3D Systemsブースは連日大盛況です。
イグアス社員が現地見学に行ってまいりましたので、最新のレポートをお送りいたします。

 

 

造形物.JPG造形物2.JPG造形物.JPG

建築モデル.JPG医療モデル.JPG会場風景.JPG

Euro Mold2014 3D Systemsブース紹介ビデオ


■試作品/最終製品として高い実用性を誇る、次世代プロダクション3Dプリンター
新機種の発表■

《1》ProX400 (プロダクション ダイレクトメタルプリンティングDMP機)ProX400.JPG

PROX400は、最大500mm X 500mm X 500mmの金属部品の造形を可能とするダイレクトメタル方式のプロダクション3Dプリンターです。

造形精度、表面品質、金属の品質すべてにおいて、クラス最高の生産性を誇り、宇宙科学・航空機メーカーやエンジンメーカーだけでなく、サービスビューローなどでも大きな効果を発揮出来る機械です。

PROX400はステンレス鋼・アルミニウム・コバルト・クロム・チタン・マルエージングなど12以上の金属材料にて造形が可能です。
多様な金属材料と、最大500mm X 500mm X 500mmのプリントサイズを組み合わせる事により、今まで実現出来なかった多くの金属部品のダイレクト製造を可能にします。

 

 


ダイレクトメタル.JPGダイレクトメタル2.JPGダイレクトメタル3.JPG



ProX800本体.JPG《2》ProX800 (プロダクション 光造形SLA機)

ProX 800は、正確さ・信頼性・高精度にて業界をリードする3DSystems社の光造形(SLA)技術と、新たに生産性の高さ、省スペース性、容易な操作管理を追加した光造形方式のプロダクション3Dプリンターです。
並外れた造形ボリュームとスピードを特徴とし、自動車・航空宇宙・医療機器製造および3Dプリントサービスビューローに適しています。
新しいレーザープリントヘッドと印刷材料管理システム、防塵プリントヘッドにより、今まで以上の生産性を実現します。

大型部品についても、小型部品についても。解像度や精度を損なう事がなく造形出来るため、歯科用ガイド、最終用途のプラスチック部品、巨大な鋳造パターンなど様々な業種にて活用が可能です。

 

ProX800紹介ビデオ

 

ProX500本体.JPG《3》ProX500Plus (プロダクション 粉末焼結SLS機)

ProX 500 Plus は、従来のProX500の優れた品質に加え、出力スピードの向上、高解像度化を行った粉末方式のプロダクション3Dプリンターです。
従来の高いスペックそのままに、射出成型グレードのパーツを提供します。 

新たに追加されたガラスビーズ入りマテリアルやアルミ粉末・ナイロンマテリアルなど、精度と耐久性を兼ね備えた新しいマテリアルにより今までよりも幅広い生産を可能とします。

  • DuraForm PROX GF:最大剛性および高温耐性の機能を持つナイロン材料です。熱応力を受ける部品や高剛性のような航空機や自動車部品などで活用が期待されます。
  • DuraForm PROX AF +:高い強度、高められた耐熱性および機械加工性を有するアルミニウム粉末入りのナイロン材料です。灰色の表面を持ち、高負荷を必要とするエンジンなどの部品用の鋳造アルミニウム造形や、治具などの最終製品製造に向いています。
  • DuraForm PROX EX:耐久性及び顕著な柔軟性を有する高衝撃強度のナイロン材料です。スナップフィット設計に最適で、薄肉の部品であっても高い靭性と耐久性を発揮します。

ProX500Plus紹介ビデオ

 

■新マテリアルの発表■

《1》ProJet1200用 新マテリアル (プロフェッショナル FTI方式3Dプリンター)

今年発売されたProJet1200について、現在の鋳造可能なJisiJet FTXグリーンに加えて5種類の新たなマテリアルを発表致しました。projet_1200_new_materials.jpg
新マテリアルの追加により、デンタル・ジュエリーだけでなく、フィギュア・小型部品のメーカーやエンジニア、3Dアーティストなど幅広い人々に今まで以上に手軽にProJet1200を活用いただけます。

デザイン作成の為の試作品から小型の最終使用部品、プレゼンテーションモデルなど、活用用途は多岐に渡ります。

VisiJet FTXゴールド・VisiJet FTXシルバー:ジュエリー業界や小型部品のプレゼンテーションや、サンプルモック作成に向いた金色/銀色のアクリル樹脂マテリアルです。

VisiJet FTXキャスト:従来のVisiJet FTXグリーンよりも、より鋳造に向いたWAX&樹脂ハイブリッドマテリアルです。
ジュエリー業界や小型部品だけでなく多くのデザイナー・エンジニアの方々に、正確な鋳造パターンを提供致します。

VisiJet FTXグレー・VisiJet FTXクリア:小型部品・おもちゃ・フィギュア・ロボットなどで必要な小型パーツの造形に最適です。試作品製造用とだけでなく、電子コネクターや小型部品の完成品に必要な強度と精度を兼ね揃えています。
VisiJet FTXグレーは高コントラスト性を持ち、パーツの微細な特徴を強調します。また、塗装しやすい特徴を持っており、フィギュアや模型の作成に向いています。 
VisiJet FTXクリアは美しい透明性を持った樹脂で、構造確認などに向きます。

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ProJet1200 新マテリアル紹介ビデオ

 

《2》ProJet5500X用 新マテリアル (プロフェッショナル マルチジェットプリンティングMJP方式3Dプリンター)

ProJet5500Xのための新材料として、より機能的で柔軟性のあるゴムライク樹脂を発表しました。新しいゴムライク樹脂はブラック/半透明の二種類となります。
ABSライク樹脂のJisiJet CR-WTや、ポリカーボネートライク樹脂のクリア素材VisiJet CR-CLと材料を組み合わせる事により、柔軟性の異なる単一モデルで最大14のユニーク素材を作成出来ます。

新素材の追加により、ProJet5500Xはオーバーモールド部品、多材料アセンブリ、ゴム状成分、高温試験を含む多くの機能確認が可能なプロトタイプの造形など、幅広い用途に対応致しました。

5500X.JPG5500X2.JPG5500X3.JPG

■3Dスキャナー新機種の発表■

Geomagic Capture Mini (プロフェッショナルタイプ 非接触型3Dスキャナー)CaptureMini.JPG

Geomagic Capture Miniは昨年リリースされたGiomagic Captureをベースとした、精密部品に特化したプロフェッショナルタイプの3Dスキャナーです。
.034mmの高い精度とスキャンの忠実度で、小型/精密部品・ジュエリー・歯科モデルのスキャニング・検査に適しています。また、軽量で携帯性に優れています。 

スキャンには青色LEDを使用し、88mm X 87mmのショット範囲で小さな形状のスキャンを得意としています。

スキャン後のデータは多くのGeomagicソフトウェアにて編集が可能な他、他社CADソフトウェアとの連携を行う事が出来ます。

自動回転テーブル・運搬用ハードケース付きのセットも発売予定です。
また、Geomagic Captureとのセットアップ互換性を持っております。 

3Dスキャンの活用により、現存モデルの3Dデータ化が可能です。3Dデータ化したオブジェクトはデジタルデザインの活用に非常に有効な手段です。
また、検査に使う事によりプロセスの初期段階で設計上の欠陥や製造上の課題を発見/確認する事が出来ます。

Geomagic Capture Mini紹介ビデオ

 

■商業施設などで気軽に3Dフィギュアを作成出来るPhoto Booth■フォトブース.JPG

小売店・デパート・ゲームセンターなどの商業施設やイベント会場に設置し、その場で顔を3Dスキャン。
選択した多くの衣装と組み合せて自分だけの3Dフィギュアを出力可能なPhotoBoothを発表致しました。

3D SystemsがCubifyのWebページ上にてオーダー受付を行っている3DMe(http://cubify.com/en/Store/DDDme)を商業施設などで手軽にオーダー出来る設置型機械です。
3DMeはスポーツコスチュームやウェディング衣装の他、ハロウィンやクリスマスなどの季節ごとの衣装だけでなく、有名映画とのコラボレーションを行っており、顧客は選択した衣装を着た自分の3Dフィギュアを作成する事が出来ます。 

自動ガイダンスの指示に従い15秒の3Dスキャンを行った後、クラウドプラットフォームを使用して3Dフィギュアのオーダーが可能です。
オーダーした3Dフィギュアは後日、指定した住所に郵送されます。

3DMe Photoboothのは2014年12月にアメリカ・ヨーロッパ向けの出荷が開始されますが、日本での発売・出荷については未定となります。



EuroMold2014にて発表されました3Dプリンター/3Dスキャナーの新機種、新マテリアルなどの発売時期については現時点で未定となっております。
詳細が決定し次第発表致しますので、続報をお待ちください。

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