MJPシリーズ 後処理のコツ その2

3Dプリンターに後処理はつきもの。 MJPシリーズはサポート剤がロウでできており、外から力を加えずに、熱によってサポート剤を落とすことが可能です。 とはいうものの、やはりその工程にもコツがあります。 iGUAZUから、ちょっとした後処理のコツをご紹介。

MJP 後処理のコツ その2

前回は、後処理時に洗浄を行った後、お湯を入れた超音波洗浄器に造形物を入れることで
油分を取り除く という方法を紹介しました。

今回は中性洗剤で洗浄を行ったはずなのに、なぜかベタベタする!という問題を解消致します。

前回の最後に問題を出題しましたが、答えは「粉末クレンザー」です。
中性洗剤に粉末クレンザーを混ぜ合わせ、これをブラシなどに付けて造形物を洗浄します。

オススメの方法は以下の通りです。
1. タッパーに中性洗剤を流し込む
2. 中性洗剤に粉末クレンザーを流し込む
3. 中性洗剤と粉末クレンザーが1:1程度になるまで入れる
4. 均等になるようによくかき混ぜる
5. 歯ブラシ等の小型ブラシに洗剤を付け、洗浄をする後処理コツ2.png

前回も記載しましたが、MJPの造形物は細かい隙間や数ミクロン程度の小さな穴や凸凹が無数に存在しています。
そこに油がしみこんでいるため、中性洗剤のみでは取りきることができず、
どうもベタベタした感触が残ってしまう というのがベタつきの原因でした。
粉末クレンザーを足し合わせて洗浄を行うことで、
小さい溝や凹凸を均しつつ、そこに染みこんでいた油を中性洗剤で取り除く という原理です。

ただしお気づきの通り、粉末クレンザーを使用して洗浄する という事はすなわち
ほんの少しですが造形物を削っていることも事実です。
これによって、形状にほんの微細な差が出てしまいます。

形状の精度を気にされる造形物でしたら、お湯でじっくり。
形状を精度を気にせれない造形物でしたら、粉末クレンザーでバッサリ。

前回と今回の記事を参考に、造形物の使用用途を考慮しつつ後処理を使い分けてみてくださいね。

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