MJPシリーズ 後処理のコツ その1

3Dプリンターに後処理はつきもの。 MJPシリーズはサポート剤がロウでできており、外から力を加えずに、熱によってサポート剤を落とすことが可能です。 とはいうものの、やはりその工程にもコツがあります。 iGUAZUから、ちょっとした後処理のコツをご紹介。

3Dプリンターでモノづくりを行う際、どのプリンターでも必ず必要になるものが造形物を支えるサポート。
機種によってさまざまなサポートの形がありますが、3D Systems社のマルチ・ジェット・プリンター(MJP)は、
サポート剤がワックス(ロウ)でできているため、外から力をかけず、熱によってサポート剤が溶けていきます。
これにより、細かい形状や手作業では届かない穴の奥など様々な形状でもサポート剤を取り除く事ができます。

ではここで一度、マルチジェットプリンターの後処理方法をおさらいしましょう。

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……とは言うものの、油のベタつきはなかなか取れない物で、
サポート剤は溶け落ちたけど造形物がベタベタする!
中性洗剤で洗ったのにしばらく経つとまたベタベタしてくる!という声も聞きます。
せっかくの造形物、多くの人が触る物なので肌触りを良くしたい……!

そんなお悩みに、iGUAZUからちょっとしたコツをご紹介します。

造形物を超音波洗浄機から取り出した後 洗剤とブラシで洗浄しますが、
その後にもう一度超音波洗浄機を使用します。
その時に使用する洗浄液は、油ではなくお湯です!

お湯の入ったトレイを超音波洗浄機に入れ、その中に造形物を入れ、スイッチオン。
すると取りきれなかった油分が浮き出し、お湯が白く濁ってきます。
ある程度濁ったらお湯を取り換え、同じように繰り返します。
濁りが出なくなれば、油は取りきれている、というワケです。

実はMJPの造形物は造形の性質上、目には見えない無数の穴や隙間があります。
形状を崩したり強度が下がることはないのですが、これによって油が中に入り込んでしまい、
後処理が完了してしばらく経つと、その油がにじみ出てしまい、再びベタベタする という原理になっています。

このお湯を使用した後処理を行うことで隙間に入った油分の代わりに水分が入り、
しばらく経つと油がにじみ出てベタベタしてしまう といった問題も軽減することができるのです。

ProJet3500HD.atoshori_kotsu.png

また一方で、「中性洗剤で洗浄しているのに表面がベタつく」という問題がございます。
実は中性洗剤に「あるモノ」を混ぜて それで造形物を洗浄することで、表面の油分をより落とすことができます。
さて、ここで問題です。
油分を取り除くために中性洗剤に混ぜる「あるモノ」とは、いったい何でしょう?

答えは次回にお送り致します。

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